とけているばしょ

tolt_santyokuのやったゲームの記録

1枚50円で遊ぶMagic: The Gathering

この記事はちょっと変わったルールでゲームを遊んだプレイレポートであり、特定のフォーマットやハウスルールを勧めるものではありません。

事の経緯

友人と立ち寄ったボードゲームショップでボードゲームを眺めていると、MTGのストレージがあるのを発見しました。私も友人もMTGアリーナをプレイしているので、せっかくだからとついでにこちらも眺めてみました。

すると、名前を聞いたことがあるような過去に実績のあるカードや、つい去年くらいにMTGアリーナで出されて困ったカードなどが大量に100円程度で見つかります。カードの相場については「スタンダードのあの強いカードが紙だと5000円するらしい」程度の知識がないため、聞いたことのあるカードを安カードのストレージ内から見つけては興奮していました。

そこで私と友人は、「1枚100円で探してこれだけ強そうなカードがたくさん出てくるんだし1枚50円まででデッキ作って遊ぼう」という話をして解散し、早速家に帰って通販サイトとにらめっこを始め、デッキを組むことになったのでした。少しゲームに触るのに最大3750円(50*75)なら気楽でしょう。

ルール設定

少し前に話題になった「一万円レガシー」、Magic Onlineの「Penny Dreadful」や「5tixモダン」などの、「あまりお金がかからないTCGの遊び方」を楽しんでいる人たちは世の中にたくさんいますが、いずれもきちんとルールを決めてゲームをしているので、どのように遊ぶかはしっかりと決めておかなくてはなりません。

そこで、今回は以下のようなルールを設定しました。

  • フォーマットはモダンとする
  • 1枚50円以下で販売されているカードのみ使用可能
  • 購入時のカードと価格のスクリーンショットをもって50円以下であると証明する
  • 他の通販サイトでは50円だがこちらでは50円を超えるという場合、その通販サイトのスクリーンショットを用意して妥協または要相談

一番下のルールは友人の「別サイトで安いものを見つけたが、単純に別サイト使うのはめんどくさい」という一言により設定されました。私も《衝動》の『団結のドミナリア』版が50円だったので使いたかったものの、発売前だったので友人に許可を取り100円の『バトルボンド』版を購入しました。

ルールを厳密にしたいならいくらでもできますが、友人との間で遊ぶカジュアルルールなので細かいことはその場で話して決めました。相手からOKが出ればモダンで許可される数日前に《衝動》を使ったっていいのです。

デッキ構築

色々カードを見て回った結果、リアニメイトデッキを作成しました。

エスパーリアニメイト


3 《灰燼の乗り手
1 《法をもたらす者、アゾール

-クリーチャー (4)-

4 《島》
4 《沼》
3 《平地》
4 《静寂の神殿
3 《欺瞞の神殿
3 《大草原の川
2 《啓蒙の神殿
2 《窪み渓谷
2 《乱脈な気孔

-土地 (27) -
4 《掘葬の儀式
4 《マナ漏出
4 《破滅の刃
4 《嘘か真か
4 《衝動
2 《強迫
2 《パワー・ワード・キル
2 《ネビニラルの円盤
2 《ゼロ除算
1 《英雄の破滅

-呪文 (29)-

MTGプレイヤーではないフォロワーのほうが多いのでカード効果などの説明を書こうと思いましたが、カードの話がメインではないので個別のカード詳細はデッキリストのリンクから見てください。以降、記事に新しいカードが登場するたびに個別にリンクを張っておきます。

《掘葬の儀式》と《灰燼の乗り手》が50円なのを見つけたので、勢いのままそれっぽいカードをかき集めて作成しました。モダンについて詳しくはないので、今のモダン環境ではとても使えないカードなのだろうと思いますが、今挙げたカードや《嘘か真か》《マナ漏出》など、聞いたことがある強そうなカードも50円で使えるのは嬉しいです。《対抗呪文》は高すぎて使えないので《マナ漏出》のほうが強い(?)

高いのが悪いんです

MTGのデッキを1から作ったことはほとんどないのでマナベースもサイドボードもよくわかりませんし、3時間程度でデッキリストを作ったのでカードを探しきれていませんが、プレイすればなにか気づきがあると思いますし、あれこれ悩みながらも無事に75枚集まって嬉しいです。

75枚購入して合計3120円でした。安い!ショップの人すみません!友人も75枚購入したようなので対戦してみましょう!

だいたい3000円!
余談ですが、買うカードを決めて次々とカートに突っ込んでいるときにオンラインショップが突如403エラーになるという現象が2回起き、もしかして安いカード入れすぎて迷惑になるということをシステムに察知されているのではないかと不安になりました。本当にすみません(ちゃんと買えました)

対戦

お互いに「ネタバレです!w」と冗談を言いながら基本土地1種類を見せ合いましたが、これ以上情報を渡さなかったため、お互いにデッキが全くわからない状態で対戦スタートです。

ゲーム1

こちらが《衝動》や《嘘か真か》でリアニメイトのセットを探している間、相手は《エッジウォールの亭主》《幸運のクローバー》と並べ、《知りたがりの二人》や《亜麻色の侵入者》でドローをしながらクリーチャーやトークンを展開していきます。

どれに除去を打ってもあまり甲斐がないので、《法をもたらす者、アゾール》を出してダメージレースで決着をつけようとしていると、《白日の下に》から《明日の瞥見》!相手の15枚のパーマネントが転生し、《トヴォラーの猟匠》《豆の木の巨人》《波ふるい》など総パワー20を超えるクリーチャーが飛び出しました。

なんとか《灰燼の乗り手》を出して対抗するも、2回目の《明日の瞥見》によってほぼ同じ盤面が作られ、そのまま対抗できず敗北しました。

《明日の瞥見》に押しつぶされる《灰燼の乗り手》

ゲーム2

相手が出来事エンジンにたどり着かず《波ふるい》から出たトークンでドローするのを横目に、こちらは《嘘か真か》と《衝動》を複数回唱えて手札を整え、相手の《願いのフェイ》の出来事を《ゼロ除算》しつつ履修で《灰燼の乗り手》を捨てて準備完了。

《明日の瞥見》こそ一度許しましたがそこからは運悪く土地ばかりがめくれてしまい、《灰燼の乗り手》をコントロールするこちらが盤面を掌握しました。

その後、こちらの飛行クリーチャーを防ぐためにサイドボードから投入された《終わりなき巣網のアラスタ》が出てきましたが、《ギデオン・ジュラ》を唱えて[+2]の攻撃強制能力を起動すると相手が投了。こちらが勝利しました。

ゲーム3

相手の《豆の木の巨人》の出来事を《マナ漏出》で打ち消すと相手が土地詰まり。その間にこちらは《掘葬の儀式》から《灰燼の乗り手》が復活させ、対処を迫ります。ピンチになった相手は祈るように待機が明けた《明日の瞥見》を唱えましたが、土地0枚と小粒クリーチャーのみという結果に終わり、こちらの場にいる《灰燼の乗り手》への対処ができなくなり投了。マッチに勝利しました。

ゲームを終えて

非常に楽しかった、とにかくこれに尽きます。友人と遊ぶのは何をしても楽しいものですが、発案からカード選定までの勢いも、カードが届くのを待っている間も、対戦中も、対戦が終わった後のトークも全て楽しいものでした。

デッキを組み上げることはカードゲームにおいてとても神聖なことだと考えているので、採用できるカードを探して良いカードを見つけては喜び、使ってみたいカードを詰め込んで束にする事ができたことが嬉しいです。

カードが届くのを待っている間にこの記事の前半を書いていましたが、まだ遊んでいないのに記事を書き始めているあたりにかなり興奮が詰まっています。友人とこの時間の感覚を共有できているのではないかと思うとさらに楽しい。旅行の前日かのようです。

対戦中についてはたくさん思うことがありましたが、十分にカードゲームらしく対戦ができ、無事に1マッチを楽しむことができたことを嬉しく思います。全然パワーがなかったらどうしようかと思っていましたが、実際にはパワフルすぎるくらいで、《嘘か真か》や《明日の瞥見》を使ったときはとても盛り上がっていました。

50円で200円分くらいのカードをめくって喜んでいます!

「《明日の瞥見》はわかるけど《白日の下に》も50円なのかよ!」「《嘘か真か》の書いてあること50円じゃないだろ!」「土地が0枚なので《豆の木の巨人》が蒸発します」など多くのやり取りがあり、終始賑やかに遊ぶことができました。

価格的にはちょっと見かけたボードゲームを買って遊ぶくらいのノリでしたが、かなり楽しめました。お互いのコンセプトや採用カードがほとんどかぶらなかったのも良かったですね。リモート対戦でなければデッキを交換してもう1マッチ遊んでそうです。

所感

とにかく3000円前後は軽く遊ぶにはちょうどよいです。カードプールも十分だとわかったので、まだまだデッキを作れば楽しめるでしょう。MTGをどれくらい遊ぶことになるかはわかりませんが、謎の一発芸コンボデッキを作るにしてもガチデッキを作るにしてもこの程度の出費なら気楽で良いです。

安いカードしかないので、昨今のTCGで忘れられがちなトレード要素が楽しめることにも期待しています。今回はリモート対戦で購入した75枚固定で対戦したため実現しませんでしたが、将来的にカードを入れ替えて余っていくうちにトレードができるようになるかもしれません。なんなら譲渡もそこまで惜しくありません。

メタゲームに踊らされることもなく、ただ見つけたカードを集めて遊ぶのは自由で気分のいいものでした。うっかり知識をつけすぎることなくまた遊びたいと思います。